どうも、ヒカリblogへようこそ。
今回は防波堤で釣れるカサゴ(ガシラ)の飼育についてです。
・カサゴの飼育は可能か
・成長速度:1年で何cm大きくなるのか
・自然界での食性
・必要な飼育設備
・必要な餌
釣った魚を飼育してみたい。そう思ったことがある人も多いのではないでしょうか。
飼育するにあたって大切なことは、水槽で飼育できる大きさかどうかだと私は考えています。
だからこそ色々な論文を通じて成長速度を調べてきました。
結論から、カサゴは成長速度が遅く病気にも強いので飼育しやすいです。
30cm水槽で海水魚を飼育したい方はこちらの記事を参考にどうぞ。
カサゴの飼育は出来る?
カサゴはカサゴ目フサカサゴ科の属する魚です。
寿命は10年にもなると言われ、30cmを超えるサイズが釣れることもあります。
カサゴは漢字では「笠子」と書きます。由来はカサゴの頭が笠を被っているかのように見えたためと言われています。
そんなカサゴを飼育するのは、実は難しくありません。
カサゴは飼育しやすい
カサゴは飼育しやすい部類になります。
生命力の高い魚で病気にも強く、餌もシラスや煮干しといった入手しやすい物で十分だからです。
また、アジやイワシといった回遊魚は泳ぐスピードが速いため水槽では狭くて飼いにくいですが、カサゴはあまり泳がないので水槽で飼育できます。
そして、大型魚と異なるのが終生飼育が可能ということ。
成長速度もゆっくりなので大きな水槽が必要ない点も良いですね。
カサゴの成長速度は?
さて、カサゴの成長速度を解説していきましょう。
飼育する上で重要なのが成長速度、つまり1年で何cm大きくなるかです。
あっという間に大きくなると飼育しきれなくなり、長期飼育に向きませんからね。
結論から、カサゴの成長速度は遅いので非常に飼育しやすいです。
成長速度が遅く飼育しやすい
今回は学術的な論文を探し、しっかり研究されたデータを元に解説していきます。
カサゴの成長速度は以下の通り。
3年で約16cm
5年で約20cm
10年で約30cmと言われています。
1年あたり2~3cmほどしか大きくならないことになります。
ヒラメが1年で30cmまで大きくなることを考えると、根魚は成長速度が遅いのが特徴です。
防波堤で10cmくらいのカサゴばかり釣れることってありませんか?
これは成長速度が遅いので、大きなカサゴの生息数が少ないのが原因と考えられます。
ちなみに、成長速度が遅いため60cm水槽を用意すれば長期飼育も可能となるので、飼育するには適した魚と言えます。
他にも色々な魚の成長速度に関する記事もあるのでホームまたは以下の記事を参考にどうぞ。
サイズ毎の食性について
カサゴは稚魚の時と幼魚では食べるものが変化していきます。
今回参考にした論文に、漁獲されたカサゴの胃に入っていた物が記載されていました。
稚魚と幼魚の食性を見ていきましょう。
10cm未満の稚魚
稚魚の時は何を食べているのでしょうか。
文献によると、ヨコエビやワレカラ類、プランクトンといった小型生物を主食としています。
小さい内は小さい動物を食べているという分かりやすい食性ですね。
全長が10cmを超えてくると上記の小型生物からエビやカニといった生物が主食へと切り替わってきます。
10cm以上の幼魚
10cmを超えると肉食性が上がります。
具体的に、エビやカニを主とした甲殻類や巻貝、二枚貝、多毛類(ゴカイ類)、小魚、藻類です。
オキアミやゴカイ、シラサエビなどで釣れることを考えると妥当な内容と言えるでしょう。
飼育設備
カサゴは成長速度が遅く、水槽でも飼育可能な魚です。
とはいえ、海水魚なので金魚と同じように飼育は出来ません。
ですが、昔と違って現在の技術であれば海水魚は容易に飼育可能です。
サンゴのような繊細な生き物であれば飼育難易度と必要設備は高度になりますが、防波堤周りに住んでいる魚達は総じて丈夫なので簡易設備でOKです。
具体的に挙げていきましょう。
・濾過フィルター
・クーラー
・人工海水
・底砂
水槽
まずは水槽。これがなければ話になりません。
カサゴの場合、アジのように泳ぎ回ることもなく、サイズも20cmまでしか入手不可の場合が多いため60cm水槽であれば十分飼育可能です。
なお、水槽は床に直置きすると変形したり、振動が伝わりやすく魚へのストレスが大きいので水槽台を使ってあげましょう。
ろ過器(フィルター)
続いて必須なのがろ過器とろ材になります。
魚の糞尿によりアンモニア濃度が上昇するのを防止したり、それを分解するバクテリアの住居としてろ過器とろ材が必要となります。
平たく言うと、魚が住みやすい環境を整えてくれる設備になります。
いくつか種類がありますが、海水魚に対しては上部フィルターや外部フィルターが適しています。
ろ過能力は上部フィルター<外部フィルターですが、その分お値段も張ります。カサゴの場合であれば上部フィルターで十分です。
ろ材に関しては、表面積が多い物が好ましいので、サブストラットプロを使用していれば間違いないです。
クーラー
冬場の寒い時期であれば、カサゴは耐えられますが夏場の高水温は良くありません。
高くとも28℃くらいには抑えたいところ・・・
高水温は酸欠のリスクもあるため、水温を管理してあげることで魚達が長生き出来る環境が出来上がります。
クーラーをつけっぱなしという方法もありますが、長い目でみればコスパが良くありません。
安価なファンタイプもあるので、クーラーを導入したいけど節約したい。という方はこちらをどうぞ。
人工海水
さて、設備が整ったところで内装です。
魚が住むには水が必要で、海水魚には当然海水が必要になります。
海から汲むのも悪くないですが、沖合の海水でないと雑菌や透明度の観点から使えません。ボートで沖合に出れるなら別ですがそんな人はいないでしょう。
そこで簡単に手に入るのが人工海水です。
海水の元を水道水で溶かすだけの超お手軽品です。私もメバル飼育でこれを使用しています。
底砂&隠れ家
水槽の見栄えが決まる内装です。
カサゴ飼育の場合、底砂はサンゴ砂でも砂利でも問題ありません。
ただ、ロックフィッシュと呼ばれる魚なので石を組んだりして隠れ家を作ってあげてストレスを感じない空間を作る必要があります。
塩ビや土管でもOKですが見栄えの問題だけですね。
餌
釣りで釣ってきた魚の場合、中々餌付けは難しいです。
例えば金魚に与えるような粒餌では餌とすら認識しません。
そういう野生の魚にぴったりの餌があります。それがこちら。
釣り餌で言うところのアミエビに非常に似ています。漁港から採集したメバルでも食いつきが良いのでオススメです。
参考文献
今回、カサゴの食性や成長に関して情報を得た文献はこちらになります。
水産増殖40巻2号 131-137
まとめ
今回はカサゴの成長速度と飼育について記事にしました。
カサゴを含めた根魚は成長速度が遅いので大きくなりにくいです。
また、生命力が強いので病気や水質の変化に強く、高度な飼育設備がなくても飼育しやすい種類と言えます。
では、今回はこの辺で!