採取した海水魚の飼育
ヒカリblogへようこそ。
普段は兵庫県明石周辺の釣果情報を書いていますが、海水魚飼育を始めました。きっかけは防波堤の際にいる小魚の種類が知りたかっただけなのですが笑。
しかし釣りをする人なら、釣れる魚を飼育してみたいと考えたことがあるのではないでしょうか?
釣り上達のために魚の生態を知ることは大切だと考えています。
癒しと勉強を兼ねて飼育してみましょう。
前回、メバルを防波堤から採集してきて水槽に入れました(採集したメバルの稚魚を飼育する!)。今回は餌付けの方法について書いていきます。
なお、メバルと同じ根魚であるカサゴの成長速度や飼育方法についてはこちらへどうぞ。
メバルの生態について
まずは飼育するにあたって、メバルについて知りましょう。
メバルは沿岸地域に生息する魚で、12月から2月にかけて産卵(卵胎性)し防波堤や漁港の藻や船下などの隠れ家がある場所で集団生活をします。
成長するにつれて餌が豊富な岩礁地帯や沖に進出し、約3年ほどで成熟し産卵行動に移るというライフサイクルです。
食生活はプランクトンやゴカイ類、甲殻類、小魚といった肉食に近い雑食になります。
今回飼育するメバルの稚魚は漁港で捕まえましたが、確かにメバルの稚魚と思われる魚が沢山いました。
メバルの成長速度について
飼育するにあたって成長速度は重要です。「1年でどの程度大きくなるのか」や「今何歳にあたるか」などの情報は健康に飼育できているかを測る目安となります。
~産卵直後からの成長速度~
産卵直後:約0.6cm、仔稚魚の時点で高い遊泳力を有する
1か月後:約1cm、胸鰭主鰭の数が一定となる
3か月後:約3cm、鱗が体全体を覆い、メバル特有の魚体側面に黒い斑点が発生
約6cmに成長後、流れ藻に隠れて沖合いへ進出する個体あり。
1年後:約10cm
3年後:約15cm
5年後:約20cm
参考文献:瀬戸内水研報 Bull. Fish. Environ. Inland Sea,No.1:1-13(1999)
アナゴの成長速度も記事にしていますので参考にどうぞ。
メバルの種類
実はメバルには種類が3つあります。従来まで1種のみとされていたのが細分化されました。
分類としては、赤メバル・黒メバル・白メバルになります。見分け方としては体色や胸鰭の線の数(軟条数)が挙げられます。
赤メバル:船釣りで釣れるような赤い体色をしています。軟条数15本
黒メバル:防波堤でよく釣れる種、茶色or薄茶色といった体色。軟条数16本
白メバル:岩礁体やテトラ帯で釣れる種、黒メバルと比べて黒色で体高が大きい。軟条数17本
メバルの餌付け方法
大抵の採集した魚は餌付けが難しいです。それは警戒心や食べ物の違いなどが原因だと考えられます。
警戒心については時間が解決してくれますが、重要なのはエサです。エサを食べなければどんどん痩せていき、飼育どころではありません。
そこで解決策として、
①他の魚との混泳
②餌を食べるまで空腹にする
以上2つが挙げられます。
①は餌を食べる魚と混泳させることで、人工飼料などが食べられることを擦り込む効果があります。平たく言えば、「これ食える!」と魚に気づかせるってこと。
私が採取したメバルもこの方法で餌付けを行いました。具体的には、飼っていたカクレクマノミと混泳させることで人工飼料が食べられることを学ばせた形になります。
始めは警戒心を解くためにホワイトシュリンプ(ほぼアミエビ)を餌として与えて、これを食べ始めたら粒餌にシフトしました。
②は魚を飢餓状態にすることで餌を食べさせる方法になります。
この方法のリスクとして、魚が痩せ細る、餌を認識しなければ死んでしまうことが挙げられます。
ある程度体力のある魚には有効ですが、メバルの稚魚のような体力のない魚には向きません。
したがって、大きな個体を餌付ける際に有効な手段となります。
個人的には魚が痩せて体力を使わせてしまい、病気の原因になりかねないので極力避けたいです。
餌付けの手法
①他の魚と混泳させて餌を認識させる
メリット:自然と人工飼料にも慣れさせやすい
デメリット:事前に餌付けした魚がいなければならない
②魚を空腹にして餌を食べるまで与え続ける
メリット:事前に餌付けした魚がいなくても餌付けが可能
デメリット:空腹(飢餓)状態で体力を使うため稚魚・幼魚には向かない
餌付けにオススメの餌
さて、現在飼育しているメバルを餌付けしたエサを紹介しようと思います。
・クリーンホワイトシュリンプ(キョーリン製):ほぼアミエビ
・テトラマリン(Tetra製):沈降性の粒餌、小型海水魚用
クリーンホワイトシュリンプはサビキ釣りで使うようなアミエビに似ています。
このエサを選んだ理由は、サビキ釣りをするときに撒き餌に小魚が群がりますよね、ならば同じようなエサなら餌付けられるのではと考えたからです。
ただし、金魚のエサみたいな粒餌と違い水質が汚れるデメリット有。
テトラマリンを選んだ理由は、カクレクマノミ用のエサで簡単に手に入るお手軽商品だったからです笑。
もちろんエサと認識してくれれば飼育難易度が一気に下がるメリットもあります。
その他海水魚の飼育はこちらへ。
【海水魚飼育】アカネハナゴイの飼育方法!飼育も容易で赤い魚体が水槽映え!
餌付けの手順としては、
①ホワイトシュリンプを与えて魚が痩せ細るのを防ぎ、警戒心を解く。
②粒餌とホワイトシュリンプを交えながら粒餌に慣れさせる。
③粒餌に慣れ次第、粒餌オンリーに切り替える
餌付けにオススメできない餌
では次にオススメできない餌について書いていきます。
先ほど、サビキで使うような餌と書きましたが釣り餌を与えるのはどうなのでしょうか。結論から言うと、与えない方が良いです。
釣り餌、例えばオキアミやアミエビ、アオイソメがありますよね。オキアミとアミエビに関しては集魚剤が混ぜ込まれており、栄養よりも集魚力に特化しています。
そのため魚の飼育に向かないだけでなく水が汚れるというデメリットが生じます。人間にも言えることですが、環境が悪くなると体調を崩しますし病気にもなります。
これらを防ぐためにも加工餌は与えるべきではないでしょう。
じゃあ活餌のアオイソメはどうなの?という疑問が出てきます。自然界でも食されているゴカイ類なので栄養面では申し分ありません。
ただし釣りで使用するとき同様、身切れすると血液が出て水が汚れます。海のスケールなら全く問題ありませんが水槽では訳が違います。
一匹丸々一口で食べてくれる大きさならまだしも、水槽で飼う大きさとなると食いちぎる可能性が高いので水質汚染の原因となります。
以上のことから、釣りで使うような餌は集魚剤などによる水質汚染があるので極力避ける方が良いと考えられます。
逆にシラサエビのような甲殻類は水質汚染の原因となりにくいためオススメといえます。
まとめ
採集した海水魚を飼育する上でのハードルとなる餌付けについて記事を書きました。
①他の魚と混泳させて餌を認識させる
②魚を空腹にして餌を食べるまで与え続ける・オススメの餌・オススメの餌・オススメの餌
①クリーンホワイトシュリンプ(キョーリン製)
②テトラマリン(Tetra製)、「小型海水魚の主食」・オススメできない餌
→釣りで使うようなオキアミ・アオイソメなど(水質悪化の原因)