どうも、ヒカリblogへようこそ。
今回はオリックスの株価はなぜ安いのかについて注目していきます。
オリックスと言えば、CMや野球球団でお馴染みのメジャーな企業です。
多種多様な分野に着手しており、業績が安定しているのが特徴と言えます。
にもかかわらず、株価は低水準にとどまっているのは何故なのか。
本記事では、オリックスの業績や株価、将来性などについて解説していきます。
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オリックスとは
オリックスという企業名はCMや野球球団を含めてよくあると思います。
しかし、何をやっている企業であるか知らない人も多いのではないでしょうか。
まずは、オリックスの規模や事業内容から解説していきます。
会社の規模
まずは会社の規模から解説。
皆さん知っての通りの大企業であり、1964年に設立され2023年時点で従業員数は約3万人となっています。
売上額は驚異の2兆5000億円であり、日本を代表する会社の一つと言える規模です。
上場 | プライム市場 |
資本金 | 約2211億円 |
設立 | 1964年 |
売上額 | 約2兆5000億円 |
社員数 | 33,253人 |
事業内容
続いては事業内容について。
オリックスと聞いて何をメインに商売している会社であるか即答できないのには理由があります。
それは、事業内容が金融から不動産まで多岐に渡るためです。
個人・法人向けの2パターン事業があるのですが、本記事では身近な個人向け事業についてまとめます。
預金・信託・ローン事業
まずは、預金や信託、ローンといった金融事業です。
預金の場合だと、オリックス銀行に口座開設することで定期預金サービスを受けることができます。
信託の場合、金銭信託や相続信託といったサービスを展開。
ローンの場合、オリックス銀行カードローンが有名ですね。
金融事業特有の収益構造ですが、いずれも手数料収入がメインの事業となります。
ユーザーが解約しない限り、安定した収益が得られるのが特徴です。
人生で誰もが経験する「ためる」「ふやす」「そなえる」「かりる」をサポートする事業となります。
参考:オリックス公式HP
~オリックスの事業内容①~ |
・オリックス銀行経由の預金や信託、ローン |
・手数料収入がメイン |
・解約が無い限り安定した売り上げが確保 |
生命保険事業
続いては、生命保険事業です。
内容としては、死亡保険や医療保険、ガン保険といった万が一に備える保険となります。
先ほどの金融事業と同じく、解約者が出ない限りは収益が安定するのが強み。
他社と異なる点として、大手保険会社の割にネット申し込み限定で割安な保険が多いことですね。
また、消費者心理としてはオリックスのネームバリューで安心感があるのも大きい。
~オリックスの事業内容②~ |
・死亡保険やがん保険などの生命保険 |
・オリックスのネームバリューが活きる |
・解約が無い限り安定した売り上げが確保 |
自動車サービス事業
続いては、自動車サービス事業。
オリックスレンタカーやカーシェアリング、新車リース、中古車販売のオリックスU-carなど。
多くの人が一度はお世話になったことのあるサービスが列挙されます。
新車価格の増大や若者の車離れにより、リースを始めとしたサービスが近年注目されていることから売り上げが増加している事業となります。
~オリックスの事業内容③~ |
・自動車関係のレンタルやリース事業 |
・手軽に車に乗れるため利用増 |
・新車や中古車の価格が上がるほど有利 |
住宅販売・ホテル事業
続いては住宅販売やホテル事業です。
住宅販売はライオンズマンションのような分譲住宅、賃貸住宅、リノベーションマンションが代表的。
マンション関連だと、管理人(マンション管理)や修繕管理といったアフターサービスも充実。
ホテル事業に関しては、シティホテルや温泉旅館など全国に25施設、約5500室を経営・運営しています。
~オリックスの事業内容④~ |
・住宅販売はライオンズマンション |
・リノベーションからマンション管理まで幅広い |
・ホテル事業は全国に25施設展開 |
レジャー事業
最後にレジャー事業。
代表的なレジャー事業はプロ野球球団:オリックスバファローズです。
その他にも有名どころとして京都水族館やすみだ水族館、京セラドームが挙げられます。
野球球団はもちろん、京セラドームはイベント毎にも使われており引く手あまた。
京都水族館も近畿地方では海遊館に匹敵する人気を誇っています。
~オリックスの事業内容⑤~ |
・プロ野球球団:オリックスバファローズ |
・京セラドームや京都水族館などを運営 |
・安定した収益が確保 |
オリックスの売上&営業利益について
巨大企業であるオリックスの売上と営業利益を見ていきましょう。
決算書の読み方が分かれば銘柄選びで間違えにくいのですが、読み方がよく分からない方はこちらの書籍がオススメです。
売上&営業利益の推移
オリックスの売上と営業利益の推移を以下にまとめました。
売上が2兆円付近で安定しており、営業利益も10%以上を継続出来ているので優良企業と言えるでしょう。
コロナ禍が落ち着き、旅行が活発になると自動車事業やレジャー事業が伸びるので追い風です。
一方、米国の利上げで海外事業が不振、またコロナ保険の支払いが多くて利益の伸びにブレーキがかかっています。
オリックスの売上&営業利益 | |||
年度 | 売上(百万円) | 営業利益(百万円) | 営業利益率 |
2021年 | 2,292,708 | 258,814 | 11.2% |
2022年 | 2,520,365 | 302,083 | 11.9% |
2023年(予定) | 2,000,000 | 245,000 | 12.2% |
2024年(予定) | 2,500,000 | 325,000 | 13.0% |
オリックス:株価の推移
オリックスの株価ですが、過去は4000円近い高値を最後に低迷しているのが現状です。
金融危機の度に株価が落ち、中々持ち直さずいました。
そして、2010年代は1200円~1900円のレンジ相場でした。
このようにある程度決まった幅で値動きする銘柄だったのですが、2020年以降は上昇トレンドとなります。
金融危機が起きると低水準
オリックスの株で特徴的なのが、金融危機が起きると低水準になる点です。
金融危機が起きると大抵の株は低迷するのですが、オリックスの場合は次元が違います。
2007年には3000円近くあった株価が、2009年には205円と10分の1以下まで落ちました。
オリックスの業態として金融業がウェイトを多く占めるので、金利や不動産不況は業績に直結し株価にも反映されるのです。
株投資が中々上手くいかず含み損が気になる方は以下の記事を参考にしてみてください。
コロナショック後は好調
2010年代と違い、2020年以降は株価が上昇局面に変化しました。
コロナショックにより株価が一時1200円まで下がりましたが、2022年には2400円と2倍にまで値上がりしコロナ前よりも高値です。
株価がコロナ前よりも高まった理由としては、安定した業績や配当、そして積極的な自社株買いが挙げられます。
業績や配当が安定しているとコロナ前からのホルダーは売る理由がないですし、
自社株買いを積極的に実施しているので新規の株主がインしやすいのが好材料です。
~コロナ後も好調な株価~ |
・業績や配当が安定している |
・自社株買いにより株主還元強化 |
・コロナ前よりも高値で売り材料がない |
株だけに頼らずポートフェリオを幅広く
株は勢いに乗れば一攫千金ですが、株価が落ちるのも非常に速いです。
さらに、外的要因にも弱いので注意が必要です。
2023年には、SVB破綻のような新たな金融危機も叫ばれています。
資産運用をする場合は株だけではなく、投資信託を始めとした分散投資が重要となります。
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オリックス:配当金&自社株買いの推移
オリックスの配当や自社株買いはどの程度実施されているのか。
2020年以降、オリックスの株価を支えているのは配当金維持と自社株買い実施の2つ柱といっても過言ではありません。
では、配当&自社株買いの推移を見ていきましょう。
配当銘柄狙いで投資をしたい方は、こちらの書籍で投資術について詳しく書かれていますので参考にどうぞ。
配当金の推移
年度 | 中間配当 | 期末配当 | 合計 |
2019 | 30 | 46 | 76 |
2020 | 35 | 41 | 76 |
2021 | 35 | 43 | 78 |
2022 | 39 | 46.6 | 85.6 |
まずは配当金の推移からです。
2019年のコロナ禍以前とコロナショック後の配当金を表にまとめました(参考:IRBANK)。
2019年と2020年の配当金は同額であり、コロナショックにも関わらず配当金が維持されました。
さらに、2021年は1株あたり2円増額されており、2022年には7.6円(前年比10%増)の大幅増配が実施されています。。
このように、オリックスはコロナ禍で業績不安がある中でも株主還元を積極的にしているので株価がコロナ後も好調に推移していると推測されます。
自社株買いの推移
年度 | 自社株買い実施額 |
2017 | 約526億円 |
2020 | 約558億円 |
2021 | 約442億円 |
2022 | 約500億円 |
2023 | 約500億円 |
続いては、自社株買いの実施について見てきましょう。
自社株買いが実施された時期や実施額を表にまとめました(参考:IRBANK)。
オリックスは2017年に自社株買いをして以降、2年間は自社株買いを行っていませんでした。
しかし、コロナショックが起きた2020年からは毎年のように自社株買いを実施しています。
自社株買いの規模についても、2020年は約558億円でコロナ前よりも約30億円増額。
2021年は約442億円に目減りしましたが、2022年には約500億円規模まで戻しています。
このように、コロナ禍以降も自社株買いを毎年実施し、実施規模も十分大きいことで株主還元が積極的に行われていることが分かります。
オリックスの株価が安いのは何故?
オリックスの株価はなぜ安いのか。
過去のリーマンショック前は株価が4000円ありましたが、2023年は2400円前後と半値近い状況です。
なぜ15年近くも経つのに株価が元に戻らないのか。
その理由は、オリックスが金融危機に弱いことや海外情勢が挙げられます。
金融危機に弱い
まずは、オリックスが金融危機に弱い点です。
オリックスの事業内容は、主に金融(投資信託や保険)やレジャー関連です。
金融危機が生じると、不安感から金融商品を解約して現金確保に動くため手数料や保険料収入が減少します。
さらに、旅行や娯楽にお金を回す人が減るので、レンタカーやカーローン・野球関連のグッズ売り上げも当然減ります。
このように、金融危機により金融商品が打撃を受けるだけでなく、一般ユーザーも離れてしまうため業績に直撃しやすくなっています。
~金融危機に弱い理由~ |
・金融商品の解約により業績悪化 |
・娯楽関係の消費が下がり業績悪化 |
・負のスパイラルに陥るので業績が戻り辛い |
配当金の減配リスク
オリックス株が低迷する理由として、配当金の減配リスクが挙げられます。
過去の株価4000円時代に戻るためには、このリスクが避けられません。
リーマンショック時に配当金を1株あたり260円から70円と約4分の1にまで減配した事実があります。
そのため業績次第では急激な減配リスクを投資家達は警戒しています。
しかし、2020年以降は配当金の増額や自社株買いを積極的に行うことで株主還元をアピールしています。
これが好材料として捉えられ、2020年以降はコロナ前の2倍近い株価であり上昇トレンドを維持している。
今は株価が安くとも、株主還元を続けて安心感が出れば株価復活もあり得ると思います。
~金融危機に弱い理由~ |
・配当金の減配リスク |
・リーマンショック時は配当金が4分の1に。 |
・2020年以降は株主還元に積極的 |
オリックスの将来性は?
続いて、オリックスの将来性についてです。
オリックスは金融・保険事業やアセットマネジメント、事業投資の3本柱で収益を得ています。
これらを成長させることで、オリックスは安定収益という筋肉質な経営基盤と成長分野を兼ね備える理想的な企業となる可能性が秘められています。
純利益ランキング18位の高収益企業
オリックスは2019年に国内企業の内、純利益ランキング18位にまで上り詰めました(引用:オリックス中期経営計画)。
これが意味するのは、安定収益を得つつ多角経営を実施することで筋肉質な経営基盤を持つということです。
コロナ禍のような外出制限が実施されても赤字に陥らないのは、多角経営による恩恵が大きいです。
さらに、金融関係は世界市場の拡大に伴い将来的にも緩やかな成長が期待されます。
事業・投資拡大で成長路線へ
オリックスの成長戦略として、事業・投資の拡大を掲げています(引用:オリックス決算説明会)。
2022年3月決算では子会社売却により過去最高の売却益を得ています。
売却したのは弥生株式会社という子会社で、なんと取得額の7倍で譲渡(引用:GLOBIS)。
このように、オリックスは法人向けの事業投資を加速させていく方針を掲げています。
25年以降は環境エネルギーや海外を中心とした新規投資により、成長性の高い企業となる可能性があります。
今でこそ多角経営の安定企業ですが、新規投資を推進する成長企業となり、将来性があると思われます。
オリックスの株価は今後どうなる?
オリックスの株価は今後どうなるのか。
オリックス自体、業績は好調であり黒字経営をずっと継続することが出来ています。
金融業ですが多角経営なので、リーマンショックやチャイナショック・コロナショックでも利益をしっかり出せています。
景気敏感株なので情勢に注目
オリックスはコロナ禍以降、配当金増配や自社株買いを積極的に行っているので株価は緩やかに上がる方向だと思われます。
一方、景気に左右される銘柄なので米国の利上げ次第により景気後退になると、株価は下がる可能性が高まります。
このように、現状の市場予想通りに利上げが進めば影響は軽微ですが、利上げ継続となるとトレンド変化が起きる可能性があります。
よって、今すぐ買いに走るのはなく状況を見ながら取引するのがローリスクでしょう。
まとめ
今回はメジャー企業であるオリックスの「業績」や「なぜ株価が安いのか」について解説しました。
多角経営に成功しているオリックスは景気敏感株ながらも安定した業績を継続することが出来ています。
過去に配当金が減配された事実はありますが、近年はコロナで景気が弱含む中でも株主還元に力を入れています。
リーマンショック時の経験から長らく株価が低迷していましたが、株主還元により息を吹き返しつつある状況ですね。
とはいえ、世界景気の情勢次第では株価トレンドが変化する恐れもあるので注意しましょう。
あくまで投資は自己責任なので気を付けて運用していきましょう。
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