・ローツェの事業内容
・売上および営業利益の推移
・株価の推移と下落理由
・配当および自社株買いについて
どうも、ヒカリblogへようこそ。
2020年から半導体関連が好況で多くの半導体関連銘柄を物色した人は多いのではないでしょうか。
株価が上がる企業が多い中、たった一年間で株価が2倍以上まで上昇したのがローツェです。
半導体のウエハや基盤を取り扱っており、米中そして台湾から引く手あまたの企業です。
本記事では、ローツェの売上や営業利益、株価の推移について記事にしていきます。
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ローツェとは
ローツェという社名を聞いたことが無い人は多いと思います。
BtoBの会社なのでテレビCMもやっておらず、何をしている会社なのか知らない人が大半です。
しかし、半導体業界では大手に分類されます。
では、会社の規模や事業内容について解説していきましょう。
会社の規模
まずは会社の規模から。
売上は約670億円で社員数は約4000人の大企業で、東証プライム市場に上場している一流企業と言えます。
半導体製造装置メーカーの中で、平均年収はトップ3(引用:semi-connect)に入っており高度な技術者を抱え込んでいます。
上場 | プライム市場 |
資本金 | 約9億8000万円 |
設立 | 1985年 |
売上額 | 約670億円 |
社員数 | 4,167人 |
事業内容
続いては事業内容について解説します。
ローツェの事業は基本的に半導体関連の装置を取り扱っています。
具体的に、半導体製造工程で必要な真空下での搬送ロボットやウエハを運搬するシステム、細胞培養装置、モーター制御機器が挙げられます。
主な事業は半導体やFPD事業で、ウエハやガラス基板を搬送する装置となります。
半導体関連装置
まず、半導体関連装置となります。
ローツェの売上の半数以上を占める主力事業です。
半導体そのものではなく半導体を作る工程で使用する装置を扱っており、無塵化対応搬送装置の開発・製造・販売を行っています。
主要製品は、大気・真空下用のウエハ搬送ロボットやイーフェム(EFEM)、ウエハソータ、N2パージ対応ウエハストッカが挙げられます。
~ローツェの半導体関連装置~ |
・売上の半分以上を占める主力事業 |
・半導体ウエハを汚染せず搬送できるロボット |
・真空条件で作業するロボットにも対応 |
FPD関連装置
続いては、FPD関連装置事業です。
FPDとは、CRT(ブラウン管)に代わる、薄型で、平坦な画面の薄型映像表示装置の総称のことです。
引用:日本半導体製造装置協会
早い話が、薄型ディスプレイに関する事業と考えて下さい。
ローツェのFPD関連装置事業では、ガラス基板運搬機やガラスカッティングマシンなどを取り扱っています。
ガラス基板運搬機は、液晶ディスプレイに使用されるガラス基板を製造工程中で搬送する装置。
ガラスカッティングマシンは、液晶ディスプレイ用大型ガラス基板をレーザを使用して切断する装置です。
いずれも高スループット(単位時間あたりの処理数が多い)であり信頼性の高い装置であることが知られています。
~ローツェのFPD関連装置~ |
・薄型ディスプレイ関連の事業を指す |
・ディスプレイ用のガラス基板運搬機 |
・ガラス基板をレーザーで切断する装置 |
・高スループットで業界内の評価が高い |
ライフサイエンス関連装置
3つ目は、ライフサイエンス関連装置事業となります。
内容としては、創薬業界などにおける細胞培養装置の開発・製造・販売を行う。
主力はインキュベータ(細胞培養装置)であり、その他にソフトウェアパッケージを販売し作業の効率化、自動化を支援しています。
~ローツェのライフサイエンス関連装置~ |
・創薬業界向けの事業となる。 |
・細胞培養装置の開発、製造、販売を手掛ける |
・インキュベータが主力製品 |
・システム開発による効率化や自動化を支援 |
モーター制御装置
4つ目の事業が、モーター制御装置となります。
ローツェが扱うウエハやガラス基板搬送機にはモーターが多数組み込まれており、これらが正確に制御されることでロボットが機能しています。
モータ制御装置事業では、これらのモータを制御・駆動するための機器を取り扱っています。
製品としては、ステッピングモータやステッピングモータドライバ、モーションコントローラが挙げられます。
~ローツェの制御装置~ |
・自社搬送機向けのモーター装置 |
・小型で信頼性が高い品質 |
ローツェの売上&営業利益について
ローツェの売上や営業利益について解説していきます。
半導体市況が好調な影響もあり、ローツェを始め多くの半導体企業は好業績を残しています。
富士通とパナソニックから設立されたソシオネクストも好業績かつ増配をしており、別記事にて紹介しています。
売上&営業利益の推移
ローツェの売上と営業利益の推移を以下にまとめました。
売上は右肩上がりで、営業利益も年々増加し2023年には24%にもなります。
コロナ禍以降、半導体不足により需要が旺盛であったことが増収増益の主要因です。
2023年以降は半導体不足が解消され、半導体メーカーでも業績が二分していますがローツェは勝ち組に入っています。
ローツェの売上&営業利益 | |||
年度 | 売上(百万円) | 営業利益(百万円) | 営業利益率 |
2021年 | 50,803 | 9,314 | 18.3% |
2022年 | 67,004 | 15,809 | 23.5% |
2023年(予定) | 96,500 | 23,300 | 24.1% |
2024年(予定) | 105,000 | 27,000 | 25.7% |
ローツェの株価推移
コロナ禍以降、半導体不足により半導体関連銘柄の株価がうなぎ上りとなりました。
長らく日本の半導体はトップシェアを有していても注目されていませんでしたが、ようやく日の目を浴びた形となります。
では好調なローツェの株価を見ていきましょう。
株投資が中々上手くいかない方は、株式投資以外の低リスクな資産運用方法を紹介しているので参考にどうぞ。
コロナ禍以降は上昇トレンド
ローツェの株価は画像の通り、2020年のコロナショックで以降大幅に上昇しています。
コロナ禍時点の株価が3000円後半に対して、2021~2022年にかけては4倍近く上昇しました。
2023年時点でも株価が11000円付近なので3倍近い水準であり、一旦調整が入りつつも上昇トレンドを維持しています。。
これは、コロナ禍以降の半導体不足により半導体関連企業が増産した結果、ローツェの半導体関連装置の売上も伸び注目されたためです。
~ローツェの株価~ |
・2020年から株価が一気に跳ねる |
・2019年と比べると最大4倍近く上昇 |
・2022年は半導体不足が払拭懸念で株価調整 |
・2023年時点でも当初の3倍の株価水準 |
2023年以降が正念場
好調であった半導体市況ですが、2023年は半導体市場が4年ぶりのマイナス成長と予想されています。
WSTS(世界半導体市場統計)が2022年11月末に発表した2022年秋季半導体市場予測 によると、2023年については4.1%減と、4年ぶりのマイナス成長を見込んでいる。
引用:JETRO
一方、データセンター向けや車載向け半導体は好調なので、見事に二分化されています。
ローツェはスマートフォンやパソコンのメモリー向け、データセンター、車載用半導体と幅広く取引をしています。
スマホやパソコンの需要が低迷している反面、データセンター増設や車載用半導体が好調。
2023年以降は半導体不足が解消されるので今までのような好市況が期待しにくいため、各分野での正念場と言えるでしょう。
~2023年以降の半導体市況~ |
・2023年は半導体市場が4年ぶりのマイナス成長と予想 |
・特にメモリー分野が不調 |
※ローツェは幅広い半導体会社と取引があるため、メモリーが不調でもデータセンターや車載向けで売り上げ&利益を確保 |
株だけに頼らずポートフェリオを幅広く
株は勢いに乗れば一攫千金ですが、株価が落ちるのも非常に速いです。
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ローツェの株主還元について
続いてはローツェの株主還元を見ていきましょう。
株主還元策として、配当金の分配や自社株買いの実施、株式分割などが挙げられます。
ローツェは特に配当金と自社株買いを実施しているので、それらの推移を解説してきます。
配当金の推移
ローツェの配当金の推移を表にまとめました(参考:IRBANK)
2019年は100株購入しても配当は25円だったものが、2022年には5倍以上の135円に増配されています。
増配の理由として、2022年は半導体関連装置の販売が引き続き好調に推移したことや為替の影響で業績が上方修正されたためです。
年度 | 中間配当 | 期末配当 | 合計 |
2019 | 0 | 25 | 25 |
2020 | 0 | 30 | 30 |
2021 | 0 | 65 | 65 |
2022 | 0 | 135 | 135 |
配当+自社株買いの総還元額
続いては、配当金と自社株買いを合わせた株主還元の総額について解説します。
自社株買い単体では遡って確認できなかったので、総額を見ていきましょう。
コロナ前の2019年までは株主還元額が約3億円でしたが、2020年以降は4億~5億円にまで増額されています(参考:IRBANK)
つまり、配当金の増額や自社株買いの実施が多く行われたことを指します。
これは業績が良くなるにつれ、株主への還元に回せる資金が増えたことが要因となります。
ローツェの業績が上がれば株主還元も増え、配当狙いで株価も上昇するため株主にとっては好循環と言えるでしょう。
年度 | 株主総還元額 |
2018 | 約3億9700万円 |
2019 | 約3億4500万円 |
2020 | 約4億3200万円 |
2021 | 約5億1800万円 |
2022 | 約5億2000万円 |
ローツェの株価が下落した理由
半導体関連株で上昇してきたローツェですが、2022年に株価が下落しています。
なぜ下落してしまったのか解説していきます。
2022年1Qは材料出尽くし
まずは2022年の7月頃に下落した理由から。
2022年7月11日に第1Q決算が発表され、売上高や営業利益、受注残の全てが絶好調でしたが既に株価へ織り込み済みでした。
そのため材料出尽くしと判断されてしまい、決算翌日には8%安の大幅安となってしまいました。
とはいえ、好業績であることは間違いないので株価の下落は限定的で、1カ月で決算前の水準まで戻った経緯があります。
~2022年7月の下落理由~ |
・売上高や利益は高水準だが株価へ織り込み済み |
・材料出尽くしと判断され売りが優勢 |
2022年下期に下方修正発表
続いては2022年10月頃に下落した理由を解説します。
2022年10月11日に上半期の決算が発表され、前年同期比63.6%の増益でしたが通期予想を下方修正しました。
これに反応し、株価は10%近く下落し8000円あった株価は7200円まで下落しました。
下方修正の理由として、円安効果で売上は伸びるものの、売上原価の増加が響いて営業利益は下振れすることが挙げられます。
また、円安による為替差益(経常利益増)は株価に既に織り込み済みとされていたため、マイナス材料として受け止められました。
~2022年10月の下落理由~ |
・前期比増益も通期下方修正 |
・円安効果で売上増だが営業利益は下振れ |
・為替差益は織り込み済みで材料なし |
まとめ:ローツェの今後の株価はどうなる?
今回は半導体関連銘柄であるローツェについて解説しました。
半導体市況が軟化している2023年ですが、ローツェは確実に売り上げを伸ばし成長しつつあります。
今後増えていくデータセンターや車載向け半導体次第では、さらに株主還元策が講じられて株価が上がる可能性はあります。
とはいえ、SVB破綻による新たな金融危機も叫ばれているので、ポートフェリオは株だけにせず色々分散させましょう。
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