・東京エレクトロンの業績
・株価推移と下落の理由
・株主還元について
・東京エレクトロンの将来性
東京エレクトロンってどんな会社?
世界第3位の半導体製造装置メーカーです。
本記事では株価下落の理由を解説していきます。
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東京エレクトロンとは
東京エレクトロンは世界有数の半導体装置製造メーカーです。
しかし、BtoB企業であるため一般的な知名度は高くありません。
東京エレクトロンに投資をする前に、会社の規模や事業内容を知っておきましょう。
会社の規模
まずは会社の規模から。
東京エレクトロンは1963年に設立され、2023年時点で約2兆円もの売上を誇っています。
半導体製造装置をメインに競争しており、世界第3位のシェアを有しています。
東証プライム市場に上場しており、社員数は約1万7000人もいる一流企業です。
上場 | プライム市場 |
資本金 | 約549億円 |
設立日 | 1963年 |
売上高 | 約2兆円 |
社員数 | 17,522人 |
事業内容
東京エレクトロンの事業内容について。
主な事業は半導体製造装置ですが、その他に液晶ディスプレイ関係の装置も取り扱っています。
それぞれ解説していきます。
半導体製造装置
まずは半導体製造装置です。
東京エレクトロンのメイン事業となります。
パソコンやスマホ等のデジタル製品に使われる半導体チップを生産するのに必要な、半導体製造装置を取り扱っています。
半導体には数多くの製造工程がありますが、東京エレクトロンは高い世界シェアで販売展開しています。
売上に占める割合は約98%を占めています。
~半導体製造装置事業~ |
・半導体チップ製造に必要な装置を開発/販売 |
・世界展開しておりトップシェアを多数有する |
・売上の約98%を占めるメイン事業 |
FPD製造装置
続いては、FPD製造装置です。
この事業では、液晶テレビのディスプレイ製造に必要なFPD(フラットパネルディスプレイ)装置を販売しています。
中小型~大型ディスプレイまで幅広く展開しています。
売上に占める割合は約2%を占めています。
~FPD製造装置事業~ |
・液晶ディスプレイ向けのFPD装置の開発/販売 |
・中小型~大型のディスプレイに対応 |
・売上の約2%を占める事業 |
東京エレクトロン:業績について
東京エレクトロンの業績について。
コロナ禍の半導体不足で半導体メーカーは莫大な特需の恩恵を受けました。
東京エレクトロンも同様であり、圧倒的な収益力で業績拡大に成功しています。
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売上の推移
東京エレクトロンの売上と営業利益の推移を以下の表にまとめました(参考:四季報)。
売上は好調であり、2020~2023年にて売上高が2倍に膨れ上がっています。
世界的な半導体投資が進んでいるため、東京エレクトロンの業績も押し上げられている形です。
また、2025年は第一四半期決算にて上方修正が発表されており依然として好調を維持しています。
純利益の推移
東京エレクトロンの売上と営業利益の推移を以下の表にまとめました(参考:四季報)。
売上同様、2020年以降は純利益も順調に増加しています。
特に2020~2023年にかけて純利益は約3倍近くなっており、2025年も好調を維持する予定です。
東京エレクトロン:株価の推移
東京エレクトロンの株価について。
株価は大幅な上昇をしましたが、その後は下落しています。
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2024年:前半好調も7月暴落
東京エレクトロンの株価チャートを掲載しました(引用:googleファイナンス)。
2024年前半から株価は一気に4万円付近まで上昇しました。
しかし、7月から暴落し続け一時2万2000円まで下落。
暴落の原因は米国の対中半導体規制の強化が報じられた外部要因となります。
~東京エレクトロン株価暴落~ |
・2024年7月までは株価絶好調 |
・7月以降は暴落しほぼ半値 |
・米国の対中規制強化報道が原因 |
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東京エレクトロン:株主還元について
東京エレクトロンの株主還元について。
一般的に、株主還元は配当金や自社株買い、株主優待、株式分割などが挙げられます。
東京エレクトロンの場合、配当金や自社株買い、株式分割を実施しています。
それぞれ解説していきましょう。
配当の推移
東京エレクトロンの配当推移をまとめました。
2020年から2023年にかけて連続増配を実施しています。
2025年は第一四半期決算後に増配が発表されており、業績と株主還元がセットとなっています。
配当性向は50%より、株主還元に積極的な半導体メーカーと言えます。
自社株買いの推移
東京エレクトロンの自社株買いの推移について以下の表にまとめました(引用:IRBANK)。
自社株買いは不定期に実施されており、直近では2024年に実施されています。
具体的には上限800億円規模、5~7月までに取得済みとなります。
株式分割の実施
東京エレクトロンの株式分割について。
2023年4月に株式1株につき3株の割合で株式分割を行っています。
これにより、3月末時点で100株買うには450万円必要でしたが分割により150万円で購入可能となりました。
~東京エレクトロン:株式分割~ |
・2023年4月に1株につき3株の割合で分割 |
・4月時点で450→150万円で100株が購入可能 |
東京エレクトロン:株価が下落した理由
東京エレクトロンの株価が下落した理由を解説していきましょう。
2024年:対中半導体規制の強化検討
2024年7月に東京エレクトロンの株価が大暴落し始めました。
これは米国が対中半導体規制の強化に関する報道が出たためです。
具体的に、米国以外の半導体装置メーカーである東京エレクトロンとASMLが提供する技術が標的。
これにより中国事業への影響を嫌気して株価が急落しました。
~株価下落の理由①~ |
・2024年7月に株価暴落 |
・対中半導体規制強化の影響 |
・実質東京エレクトロンの狙い撃ち |
2024年:米国景気後退懸念の巻き添え
2024年8月5日に日経平均が大暴落し、令和版ブラックマンデーが起きました。
原因は米国の景気後退懸念が強まったことで、海外投資家の資金回収売りが加速したためです。
東京エレクトロンも7月の暴落に加えて、さらに売り込まれ株価は2万2000円にまで下落。
その後、景気後退懸念が緩和されるも、例の対中半導体規制の影響で暴落後の戻りが鈍くなっています。
~株価下落の理由②~ |
・2024年8月にブラックマンデー再来 |
・株価は最盛期の半値まで下落 |
・原因は米国の景気後退懸念とパニック売り |
東京エレクトロン:株価が上がらない理由
暴落後、どうして株価が上がらないの?
中国リスクが影響しているためです。
売上構成:中国比率が高いため
東京エレクトロンの売上は中国向けに偏重しているため、世界情勢の影響を受けやすいです。
2024年決算通期においては、中国比率が44%と高いので中国リスクが顕著に表れています。
米の対中半導体規制の強化が実施されると、売上に大打撃を受けるため投資家はリスク回避の動き。
これによって、暴落後も買いが弱く株価が戻らないのです。
~株価が上がらない理由~ |
・中国向けの比率が売上の40%以上 |
・米中の半導体規制をモロに受ける可能性 |
・リスク回避の動きで買いが入りにくい |
東京エレクトロン:将来性
東京エレクトロンの将来性について。
半導体はこれから戦略物資へと変貌していく魅力ある分野です。
一方で競争も激しい中、東京エレクトロンに将来性はあるのか。
国策:半導体の戦略物資化
まず、半導体は戦略物資と化していきます。
米中の覇権争いが表面化する中、今後は経済安全保障の観点で半導体の確保が課題となります(引用:JETRO)。
その中で日本政府はTSMCや半導体企業への工場誘致など、半導体分野への補助金を積極的に実施しています。
東京エレクトロンは半導体製造装置をメインに取り扱っているため、国内に工場が出来れば商機となります。
半導体の確保を国策として進めるほど東京エレクトロンにとっては市場が広がるため将来的に有利に働くことが予想されますね。
~東京エレクトロン:将来性①~ |
・半導体確保が国策となり業績拡大のチャンス |
・政府はTSMCや半導体企業への補助金を展開 |
・半導体優遇策により市場面で将来性が非常に高い |
研究開発推進によるシェア拡大
競争が激しい半導体分野で、東京エレクトロンは研究開発に潤沢な資金を投入しています。
半導体市場規模は2030年までに1.35兆ドルと、2023年の倍以上に成長することが予想されています。
競争の中でシェアを伸ばすために、東京エレクトロンは5年間で1兆円以上の研究費を配分する予定です(引用:中期経営計画)。
~東京エレクトロン:将来性②~ |
・半導体市場は2030年に今の倍以上へ |
・シェア確保に向けて研究開発費5兆円を計上 |
・生産能力増強の実施しており今後に期待 |
まとめ
本記事では、東京エレクトロンの業績や株価、株主還元、株価が下落した理由などについて解説しました。
東京エレクトロンは世界第3位の半導体製造装置メーカーであり、コロナ禍以降は業績が2倍まで拡大しました。
また、連続増配に自社株買いを実施しており株主還元に積極的であることが分かります。
とはいえ、半導体は世界情勢の影響を受けやすいため株価が下落する時は一気に落ちます。
短期目線だと損する可能性もあるので、投資をする際は自己責任で行いましょう。
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