・スシローの業績
・株価や配当金の推移
・株主優待の内容
・株価が暴落した理由
どうも、ヒカリblogへようこそ。
スシローといえば誰もが知る回転寿司チェーン店であり、寿司業界で売上No.1を誇っています。
しかし、株価は2021年を境に大きく下落しています。
具体的には、2021年に5000円だった株価は2023年には半値近くまで暴落。
スシローの株価が暴落したのはなぜか。
それは、不祥事や迷惑行為・円安による業績圧迫などが起きたためです。
本記事では、スシローの業績や株価、株主還元、株価が暴落した理由などについて解説していきます。
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スシローとは
国内でも屈指の知名度を誇るスシロー。
スシローを運営する親会社はFOOD&LIFE COMPANIESという上場会社です。
スシローの株主になりたい場合はFOOD&LIFE COMPANIESに投資する必要があります。
投資をする前に、会社の規模や事業内容を知っておきましょう。
会社の規模
まずは会社の規模から。
スシローは1984年に設立され、2021年にFOOD&LIFE COMPANIESへと社名変更をしました。
今はFOOD&LIFE COMPANIESの事業の1つとしてスシローが運営されています。
寿司業界では売上No.1であり、東証プライム市場に上場しています。
社員数も約6000人、パートやアルバイトも含めると3万人近い大企業です。
上場 | プライム市場 |
資本金 | 1億円 |
設立日 | 1984年 |
売上高 | 2813億円 |
社員数 | 6,088人 |
事業内容
続いては事業内容について。
スシローを運営するFOOD&LIFE COMPANIESは様々なブランド展開をしています。
具体的に、スシロー・京樽・回転寿司みさき等が挙げられます。
国内スシロー事業
1つ目が国内スシロー事業です。
その名の通り、回転寿司チェーン店のスシローの運営となります。
国内に644店舗を展開しており、国内最大級の売上を誇ります。
売上に占める割合は約80%であり、(株)FOOD&LIFE COMPANIESのメイン事業となります。
~国内スシロー事業~ |
・国内でスシロー店舗を運営展開 |
・国内で600店舗以上あり売上No.1 |
・売上の約80%を占めるメイン事業 |
海外スシロー事業
2つ目が海外スシロー事業です。
その名の通り、スシローの店舗を海外展開し運営する事業となります。
アジア圏に展開しており、韓国や中国、シンガポールなどが挙げられます。
売上に占める割合は約12%となります。
~海外スシロー事業~ |
・海外でスシロー店舗を運営展開 |
・アジア展開しており87店舗(2023年時点) |
・売上の約12%を占める |
京樽事業
3つ目が京樽事業です。
元々は吉野家HDの事業でしたが、2021年に(株)FOOD&LIFE COMPANIESが買収し完全子会社となりました。
全国に155店舗を展開しており、持ち帰り寿司や回転寿司を運営しています。
売上に占める割合は約7%となります。
~京樽事業~ |
・持ち帰り寿司や回転寿司店舗を展開 |
・2021年に吉野家HDより事業譲渡 |
・売上の約7%を占める |
スシロー:業績について
スシローの業績について。
コロナ禍や不祥事、資材高騰など様々なことがありましたが、業績はどうだったのか。
スシローを運営する(株)FOOD&LIFE COMPANIESの業績を見ていきましょう。
決算書の読み方が分かれば銘柄選びで間違えにくいのですが、読み方がよく分からない方はこちらの書籍がオススメです。
売上&営業利益の推移
FOOD&LIFE COMPANIESの売上と営業利益の推移を以下の表にまとめました(引用:四季報)。
2020年はコロナ禍の影響で減益となりましたが、翌年は時短営業の協力金で110億円が上積みされたことで大幅増益となっています。
2023年には2年ぶりの最終増益を達成しており、海外事業による業績押し上げが進んでいます。
2024年も増収・増益を見込んでおり、円安の逆風でも成長路線を維持しています。
スシローの売上&営業利益 | |||
年度 | 売上(百万円) | 営業利益(百万円) | 営業利益率 |
2020年 | 204,957 | 12,061 | 5.8% |
2021年 | 240,804 | 22,901 | 9.5% |
2022年 | 281,301 | 10,123 | 3.6% |
2023年 | 301,747 | 11,001 | 3.6% |
2024年(予) | 350,000 | 11,500 | 3.3% |
スシロー:株価の推移
スシローを運営するFOOD&LIFE COMPANIESの株価について。
コロナ禍での巣ごもり需要で業績好調の反面、不祥事や迷惑動画など様々な事柄がありました。
その中でスシローの株価がどう動いたのか解説していきましょう。
株式投資が不安な方や中々勝てない方は、損をしない投資方法を解説しているので参考にどうぞ。
コロナ禍では株価上昇
スシローの上場後~コロナ禍にかけての株価チャートを掲載しました(引用:googleファイナンス)。
ご覧の通り、上場してから株価は右肩上がりです。
2020年のコロナ禍で一時的に株価が下落するも、反転して最高値更新をしています。
これは巣ごもり需要でハンバーガーやお寿司のテイクアウトが人気となり、店舗数を増やしていたスシローにとって追い風となったためです(参考:PRTIMES)。
これにより株価はコロナ禍時点の3倍以上まで上昇しました。
~スシロー株価:コロナ禍~ |
・上場後からコロナ禍にかけて株価は右肩上がり |
・巣ごもり需要でテイクアウトに追い風 |
・コロナ禍でも株価は最高値更新 |
コロナ後:株価低迷
スシローのコロナ禍~コロナ後にかけての株価チャートを掲載しました(引用:googleファイナンス)。
ご覧の通り、2021年後半を境に株価は半値近くまで暴落しています。
2021年後半、時短営業の協力金剥落や魚介類の調達コスト増による減益見通しを嫌気(参考:日経新聞)。
2022年からは、おとり広告による景品表示法違反や迷惑動画の拡散などのマイナス材料で株価はさらに下落しました。
~スシロー株価:コロナ後~ |
・2021年後半からは株価低迷 |
・2022年以降は不祥事や迷惑動画などマイナス材料 |
・結果、株価は2021年の半値まで暴落 |
株だけに頼らずポートフェリオを幅広く
株は勢いに乗れば一攫千金ですが、株価が落ちるのも非常に速いです。
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スシロー:株主還元について
スシローの株主還元について。
一般的に、株主還元は配当金や自社株買い、株主優待、株式分割などが挙げられます。
スシローを運営するFOOD&LIFE COMPANIESは配当金と株主優待・株式分割を実施しています。
配当銘柄狙いで投資をしたい方は、こちらの書籍で投資術について詳しく書かれていますので参考にどうぞ。
配当金の推移
スシローの配当金の推移をグラフにまとめました。
ご覧の通り、2021年の増配以降は配当額が一定となっています。
これは回転寿司への客離れや仕入れ価格の上昇等により純利益がコロナ前の半分しかないことが原因となります。
2024年以降はインバウンドや海外事業の後押しもあるため、今後の増配に期待しましょう。
配当利回りの推移
スシローの配当利回りの推移をグラフにしました。
ご覧の通り、配当利回りは1%以下となっています。
スシローの配当性向は30%前後であるため、業績拡大しない限りは大幅な増配は期待できないでしょう。
配当利回り1%では配当銘柄としての魅力は非常に低い水準となります。
株主優待について
スシローは株主優待を行っています。
内容としては、スシローや京樽、杉玉といったグループ会社で使えるクーポン券です。
保有株数によってクーポン券の数も変わってきますので、発行時期含めて以下にまとめます(引用:公式HP株主優待)。
保有数 | クーポン券の贈呈額 | |
9月末 | 3月末 | |
100-199株 | 1100円分 | 1100円分 |
200-399株 | 1650円分 | 1650円分 |
400-799株 | 2200円分 | 2200円分 |
800-1999株 | 4400円分 | 4400円分 |
2000株以上 | 11000円分 | 11000円分 |
株式分割の実施
スシローは過去に株式分割を実施しています。
以下の株式分割が実施されたことで、投資額が90万円から22万5000円にまで下がりました。
会社発表は以下の通りです。
2020年4月1日付で普通株式1株につき4株の割合で株式分割を行っております。
引用:スシロー公式HP
スシロー:株価が暴落したのはなぜ?
スシローの株価は2021年後半から暴落し半値まで下落しています。
スシローの株価が暴落したのはなぜなのか。
①不祥事による行政処分
②迷惑客による回転寿司離れ
③原発処理水による風評被害
不祥事による景品表示法違反の処分
株価暴落の原因となった一つ目として、スシローのおとり広告による景品表示法違反です。
2022年6月9日、消費者庁はスシローに対しおとり広告に対する再発防止を求める措置命令を行いました(引用:消費者庁)。
おとり広告の内容として、CMで宣伝していたにも関わらず販売していたのは1割の店舗のみ、そしてビール半額キャンペーンで売り切れ続出など。
これらによりスシローに対する印象が悪くなり客足が遠のくことを嫌気して株価も下落しました。
~スシロー株価:暴落理由①~ |
・消費者庁より景品表示法違反で行政処分 |
・CMで宣伝も取り扱い店舗が少なく悪質と判断 |
・客足の遠のきを嫌気して株価下落 |
迷惑客による回転寿司離れ
株価暴落の原因となった二つ目として、迷惑客による回転寿司離れが挙げられます。
スシローに限らず、SNSによる迷惑動画が拡散されテレビでも大きく取り上げられました。
回転寿司の場合、醤油さしに口を付けたり、レールのお寿司にワサビを付けたりなど衛生面の是非を問われる動画が話題となりました。
これにより「回る寿司を客が取る」というビジネスモデルが崩壊しかねない大問題に発展しました(引用:ITmedia)。
スシローの場合、動画拡散の影響で1日で株価が5%も下落しています。
~スシロー株価:暴落理由②~ |
・迷惑動画により回転寿司を控える消費者 |
・テレビで連日取り上げられマイナスイメージ |
・動画拡散により1日で株価が5%も下落 |
中国における日本水産物の禁輸措置
2023年8月、スシローの株価は暴落し約10か月ぶりの安値を更新しました。
その理由が、原発処理水問題による中国の日本水産物の禁輸措置です(引用:bloomberg)。
中国で寿司は人気ですが、原発処理水に対する中国の反発により日本産水産物離れが懸念されました。
スシローの場合、中国本土や香港で53店舗展開しており、どんどん店舗数を増やす計画でしたが風評被害により業績ダメージの可能性大。
この禁輸措置は長期化する恐れがあるため、成長期待の海外スシロー事業が停滞することを嫌気して株価も押し下げられています。
~スシロー株価:暴落理由③~ |
・2023年:中国が日本産水産物の禁輸措置 |
・日本食の寿司に対する風評被害を懸念 |
・スシローの海外店舗拡大に影響を懸念 |
・成長期待の海外事業にブレーキで売り圧大 |
スシロー:今後について
スシローの今後について。
不祥事や迷惑動画、中国禁輸措置など様々なことがありましたが、今後はどうなるのか。
円安による仕入れ値高騰が業績影響
スシローの今後で業績に影響するのが円安です。
昨今の円安により日本の物価が上昇し、食材調達コストや物流費の上昇で利益が圧迫されています。
円安も短期的ではなく、ウクライナ侵攻以降ずっと円安が進み1ドル150円にまで下落、それが1年以上続いています。
スシローは対策として寿司皿の値上げで対応していますが、値上げにより客足が遠のき2023年8月決算では36%の減益でした(引用:日経新聞)。
円安がこのまま継続すれば、スシローだけでなく飲食業界全体で厳しい今後が待ち受けているものと思われます。
~スシロー:今後~ |
・円安による物価高騰でコスト高 |
・値上げ対応するも客足遠のく |
・2023年8月決算は36%の減益を発表 |
・食材調達コストや物流費高騰が今後も響く |
まとめ
本記事では、スシローの業績や株価推移、株主還元、株価が暴落した理由などについて解説しました。
スシローは国内第一位の寿司事業ですが、行政処分や衛生面での課題でビジネスモデル自体の懸念など、株価への影響が大きかったです。
業績面は円安の影響を受け食材コストや物流費の高騰、そして原発処理水問題による海外スシロー事業への影響など利益面でも不利となりました。
一方で配当は維持しており、スシローファンには嬉しい株主優待もあります。
今後は円安や海外事業の成長性が鍵となりますが、世界情勢に影響されるため投資をする際には自己責任で行いましょう。
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