どうも、ヒカリblogへようこそ。
今回はアジの成長速度に関する記事になります。
さて、皆さん!
アジをスーパーで買ったり、防波堤で釣ったことがあると思います。
そんなアジ達はどれくらいの年月をかけて、その大きさに成長しているか気になったことはありませんか?
初夏の防波堤にいる10cm前後のアジもいれば、沖合で漁獲される30cm近いアジもいます。同じ魚なのにここまで差があるのかと。
成長速度がある程度わかっていれば、自分の食べ頃と思うアジが何月頃に釣れるかも予測できるはず。
そして飼育したいと思う人も、どの大きさの水槽が必要かも予測できるはずです。
そんなアジの成長速度について記事を書いていきます。
30cm水槽で海水水槽を始めたい方はこちらの記事を参考にどうぞ。
アジの生態
今回紹介するのはアジの中でも最も身近なマアジになります。
マアジは北西大西洋の固有種で、北海道から南シナ海に生息していて特に日本海や東シナ海に多い。
回遊型と居着き型の二種類あって、
食性
アジは何を食べて大きくなるのでしょうか。
結論はというと、アミエビを食べるくらいなので、やはり肉食です。
とはいえ食性は幅広く、動物プランクトンやゴカイ類、小魚、イカまで食べます。
サビキ釣りでのアミエビを食べているイメージが強いと思いますが、立派なフィッシュイーターです。
だからこそアジングのワームやプラグ、マイクロジグで型の良いアジが釣れるのですね。
アジの成長速度
では本題の成長速度に移っていきましょう。
ふ化直後(1月)・・・約2.4mm(約0.2cm)
1か月後・・・約1.5cm
6か月後(7月)・・・約10cm
1年後・・・約18cm
1年半後・・・約23cm
2年後・・・約26cm
これより先に関しては漁獲量が減るため正確な成長速度は不明のようです。
少なくとも鬼アジと呼ばれる30cm越えのアジは3年以上生きていることになりますね。
こうやって見ると、防波堤で釣れる豆アジはその年に生まれた個体ということが分かるはず。
特にサビキ釣りで釣れ始めるのは7月頃からがスタンダードだと思います。
となると、上の成長速度から、その時期は約10cmの個体なので正に「豆アジ」ですね。
ついでに、1年で約18cmに成長することを逆算すると秋口に釣れるアジは15cm前後くらいかな?という予想が出来ますね!
自分の食べ頃と思うサイズが何月くらいに釣れるかが何となく見えたのではないでしょうか。
産卵するサイズ
アジが産卵するサイズってあまり聞かないですよね。ぶっちゃけ気にしたことないと思います。
今回の記事を書くに当たって調べた文献によると、
2歳以上、つまり約25cm以上のアジは成熟個体が見られる。
1~2歳の間、つまり19~21cmの個体は3月のみ成熟個体が発見された。
1歳未満の個体では成熟個体は見られないとのこと。
要は、生まれてから1年半以降のアジは産卵行動に入る可能性が高いということですね。
産卵時期
産卵するサイズは分かったけど、産卵時期はどうなのか。
産卵時期は1~5月で、その中でも2~3月が最盛期になります。
いやでも、卵を持ったアジなんて見たことないんだけど・・・という疑問が浮かびます。
というのも、アジの産卵は遠い沖合(東シナ海の大陸棚)で行われます。
そして生まれた稚魚は成長するにつれて接岸し、産卵できるサイズになると沖合に戻っていきます。
だから防波堤で釣りをする人からすると、アジの卵を見る機会はほぼないわけです。
飼育方法
さて、成長速度が分かったところでアジの飼育方法へ移ります。
仮に防波堤で10cmのアジを採取した場合、順調に飼育すれば半年で18cm程度になります。
そして、さらにもう一年飼育することが出来れば25cm程度になります。
つまり、それに合わせた水槽などの設備が必要になってきます。
飼育設備
では飼育設備についてです。
まず、アジは回遊魚なので良く泳ぎます。なので2年間飼育しようと思うと、90cm水槽は欲しくなります。
そう聞くとかなりハードルが高いですが、餌の量を管理し成長速度を抑えてやれば60cm水槽でも飼育できないことはないでしょう。
水槽に水を張っても、水質を綺麗にする濾過フィルターがないと飼育はできません。上部フィルターか外部フィルターを用意しましょう。
続いて、アジは近海魚ですが最適な水温は16~20度とされています。
つまり30度を超える夏に水槽の水温を管理しないと飼育できないということです。
なので、水槽用クーラーは必要になってきます。
これらを踏まえると、
①水槽
②水槽台
③濾過フィルター
④水槽用クーラー
⑤UV殺菌灯(病気防止用の器具です)
餌
生態の項にて説明しましたが、アジは肉食です。
そして、釣ってきたアジを餌付けするのは至難の業であり、金魚の餌のようなものは中々食べてくれません。
そこで私が一時期飼育した時に効果のあった餌を紹介します。
①キョーリンのホワイトシュリンプ
実質アミエビです。釣りでアミエビを食べるので食べないはずがありません。実際、食いつきはかなり良いです。
②スーパーに売っている「釜揚げシラス」
フィッシュイーターなのでシラスの食い付きも良いです。ただ、あげすぎると吐き出してしまうので1回あたり数匹与えれば十分です。
まとめ
今回はアジの成長速度と飼育方法について記事にしました。
成長速度は1年で約18cmまで大きくなり、満2年で約25cmになります。
分かりやすく言うと、普段防波堤で釣れる10cm前後の豆アジは生後6か月の個体になりますね。
飼育に関しては、回遊魚なので大きな水槽を用意してあげましょう。
濾過設備や水温管理は必須です。水質が悪くなると病気になったり、水温が高いと弱ったりするので気を付けましょう。
水槽と水温さえ気を付ければ飼育難易度は難しくないと思います。
本記事が釣り人やアジを飼育しようと思う人の役に立てば幸いです。
何気に魚の成長に関する記事は人気が高いようなのでシリーズ化していければ良いと思っています。
他の魚の成長速度に関する記事のリンクも貼っておきます。
【カサゴ飼育】成長速度は1年で何cm?ゆっくり成長するから飼育しやすい!
では、今回はこの辺で。
参考文献
①マアジの成長と年齢
著:三谷文夫、井田悦子
雑誌:Bulletin of the Japanese Society of Scientific Fisheries Vol. 30, No. 12, 1964
②五島灘とその周辺海域におけるマアジの年齢,成長および成熟
著:水田, 浩二、山本, 憲一、末廣, 喜彦
雑誌:長崎県水産試験場研究報告 27号 2001年3月発行