・ユーグレナの業績
・株価の推移
・配当について
・株価が上がらない理由
・将来性について
ユーグレナといえばミドリムシや青汁などで有名なベンチャー企業です。
株価は上場以来下落しており、なぜ上がらないのかという疑問を持つ方が多いかと思います。
本記事ではユーグレナに投資する際に生じる疑問について解説していきます。
・期待先行で既に株価へ反映
・成長優先で配当がない
・収益が実質ヘルスケア事業1本
・ジェット燃料の研究費で収益圧迫
・新株発行による需給悪化
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ユーグレナ:株価はなぜ上がらない?
将来的な期待度が高いにも関わらず、株価は上がっていません。
結論として、ユーグレナの株価が上がらない理由は以下の4つが挙げられます。
・期待先行で既に株価へ反映
・成長優先で配当がない
・収益が実質ヘルスケア事業1本
・ジェット燃料の研究費が収益圧迫
・新株発行による需給悪化
期待先行で既に株価へ反映
株価が上がらない1つ目の理由として、株価が期待先行で既に上がっているためです。
ユーグレナの株価は上場後に急騰しテンバガーを記録しています。
世界初のミドリムシ培養ベンチャーという期待とアベノミクス相場が重なり、株価は上場時点でかなり先行しました。
期待値が高く株価に織り込まれているため、バイオ燃料の商業化などプラス材料が無い限り株価は上がりにくくなります。
成長優先で配当がない
株価が上がらない2つ目の理由として、配当がないことが挙げられます。
ユーグレナは会社の成長を優先しており、2024年時点で無配となっています(引用:ユーグレナHP)。
配当がなければ株主にとってのメリットが小さいため、株価は上がりにくくなります。
2026年にはバイオ燃料であるサステオの本格稼働が始まるので、配当金はそれ以降に発表されると予想されます。
収益が実質ヘルスケア事業1本
株価が上がらない3つ目の理由として、収益がヘルスケア事業に頼っていることが挙げられます。
上のグラフのように、ユーグレナの売上はヘルスケア事業が90%以上を占めています(参考:決算短信)。
バイオ燃料やその他の事業はまだ軌道に乗っていないのが現状です。
売上構成が偏っていると、ヘルスケア事業が低迷した際のリスクが大きいため投資で手を出しにくくなり株価が上がりにくいのです。
ジェット燃料の研究費が重い
株価が上がらない4つ目の理由として、ジェット燃料の研究費が重いことが挙げられます。
2019年にバイオ燃料の実証プラントを建設するために約63億円を計上するも、当該プラントは実証用であり利益が見込めません。
2026年に商業用プラントを稼働させて利益貢献を目指していますが、商業化までの費用が重く資金調達をしています(参考:ロイター通信)。
新株発行による需給悪化
株価が上がらない5つ目の理由として、新株発行による需給悪化が挙げられます。
2021年に海外市場での公募増資を発表し、株価が約9%下落しました(参考:四季報)。
新株を発行することで総株数が20%増えるため、1株利益の希薄化が懸念されたのです。
上場後の株価は右肩下がりという状況での新株発行であり、需給悪化による株価への影響が積み増された形となりました。
ユーグレナ:株価の推移
ユーグレナの株価推移を見ていこう。
上場後にテンバガーを達成するも、その後は右肩下がり。
コロナ禍以降は横ばい圏だ。
株式投資が不安な方や中々勝てない方は、損をしない投資方法を解説しているので参考にどうぞ。
上場~2020年:右肩下がり
まずはユーグレナの上場~2020年までの株価を見ていきましょう(引用:googleファイナンス)。
上場直後は順調でしたが、それ以降の株価は右肩下がりとなっています。
世界初のミドリムシの屋外大量培養に成功したベンチャーかつアベノミクス相場で一気にテンバガー。
しかし、期待先行で株価が上昇した分、その後は中々振るわないのが現状と言えます。
2020~24年以降:横ばい圏
2020年以降のユーグレナの株価チャートを掲載しました(引用:googleファイナンス)。
株価は700~1000円のボックス相場ですが、2023年からは右肩下がりとなっています。
ロート製薬との業務提携やシナネンとの協業などの材料はありましたが、資金がバリュー株に移動したことが要因です。
2023年は高配当株やバリュー株が人気であり、グロース銘柄は厳しい年となりました。
株だけに頼らずポートフェリオを幅広く
株は勢いに乗れば一攫千金ですが、株価が落ちるのも非常に速いです。
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ユーグレナ:株主還元について
ユーグレナの株主還元について。
2024年時点で、ユーグレナは無配ですが株主優待を実施しています。
配当銘柄狙いで投資をしたい方は、こちらの書籍で投資術について詳しく書かれていますので参考にどうぞ。
2024年時点:配当金は無配継続
2024年時点でユーグレナの配当金は無配となっています。
会社方針では無配の理由を以下のように発表しています。
事業成長による株価の上昇が株主様のリターンを最大化することにつながると考えていることから、株主還元よりも事業投資を優先している。
引用:ユーグレナ配当方針
2024年時点:株主優待の内容
ユーグレナは株主優待を実施しています(参考:ユーグレナ株主優待制度)。
具体的に、ユーグレナ・オンラインショップで利用可能な割引クーポンやご優待カタログが配布されます。
保有株および保有年数によって優待内容が変わりますので、優待狙いなら長期保有が良いでしょう。
保有株数/保有年数 | 1年未満 | 1年以上 |
100株以上 | 割引クーポン1000円分
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500株以上 | 割引クーポン2000円分
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ユーグレナ:事業展開について
ユーグレナの事業展開について。
会社の規模とセグメントについて見ていきましょう。
会社の規模
ユーグレナの会社規模について。
2005年に設立されたベンチャー企業であり、社員数は250人の中規模です。
ミドリムシの屋外大量培養に世界で初めて成功したベンチャーであり、売上高は400億円を超えています。
東証プライム市場に上場している成長企業です。
上場 | プライム市場 |
資本金 | 約140億円 |
設立日 | 2005年 |
売上高 | 約444億円 |
社員数 | 250人 |
事業内容
ユーグレナの事業は、ヘルスケア・バイオ燃料・その他の3つから構成されています。
売上の90%以上はヘルスケア事業であり、ミドリムシを活用した機能性食品や化粧品等で収益を得ています。
この他にバイオ燃料を開発し飛行機を飛ばすなど、ミドリムシをコア技術とした事業展開をしています。
ユーグレナ:業績について
ユーグレナの業績について。
売上は急拡大しており営業利益も赤字を圧縮しています。
決算書の読み方が分かれば銘柄選びで間違えにくいのですが、読み方がよく分からない方はこちらの書籍がオススメです。
売上の推移
ユーグレナの売上をグラフにしました(参考:四季報)。
2020年以降の売上は右肩上がりであり、順調に成長軌道に乗っていると言えます。
急激な売り上げ増は「青汁」のキューサイを買収し子会社化したためです。
営業利益の推移
ユーグレナの営業利益の推移をグラフにしました(参考:四季報)。
2017年以降は営業赤字が続いており、黒字転換出来ていないのが現状です。
主な原因はバイオ燃料事業への投資拡大であり、将来への布石となります。
ヘルスケア事業が伸び悩む中、新事業への費用が重いため営業赤字となっています。
ユーグレナ:将来性について
ユーグレナの将来性について。
ヘルスケアで成長してきたユーグレナですが、バイオ燃料や新事業などへ投資をしています。
将来性としては以下の3つが挙げられます。
①バイオ燃料のサステオを商業化
②ヘルスケア事業の拡大
③新ブランドの創出
2026年:500億円規模のバイオ燃料商業化
まず一つ目が、バイオ燃料のサステオの商業化。
ユーグレナはバイオ燃料へ投資をしており、サステオというブランド名を公表しています。
このサステオは、2026年に商業用プラントを本格的に稼働させる予定で、売上規模はバイオ燃料単独で500億円を目標としています(参考:決算説明資料)。
バイオ燃料は石油の代替として期待されており、海外ではバイオ燃料の義務化が進むなど市場拡大にも期待が持てます。
ヘルスケア事業の収益基盤強化
2つ目がヘルスケア事業の収益基盤の強化。
ユーグレナはヘルスケア事業で拡大してきましたが、今後は安定成長を目指します(参考:事業展望)。
オンラインや通販の強化、新ブランドを投入しており、ヘルスケア事業の底打ちが見えている状態です。
買収したキューサイの集約化や内製化を進めることでコストシナジーを目指し、将来的な収益強化に力をいれています。
ブランド創出:第三の収益柱を開発
3つ目が第三の収益となる柱を開発している点です。
ユーグレナは大協肥糧をグループ会社化することで、肥料分野へ本格参入を推進しています。
国も化成肥料から有機肥料へのシフトを発表しており、市場規模の拡大が見込まれます(参考:農林水産省)。
この分野に藻類を用いた機能性肥料やグループ内のバイオマス資源を活用できれば十分将来性はあるかと思われます。
まとめ
本記事では、ユーグレナの株価が上がらない理由や将来性などについて解説しました。
上場後から株価は下落していますが、着実に成長しているのが特徴と言えます。
現状はヘルスケア単独の収益となりますが、将来的にはバイオ燃料の商業化や新事業の創出が期待されます。
直近では2026年からバイオ燃料のプラントが稼働しますが、燃料価格に大きく業績が左右されるため投資は自己責任で行いましょう。
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