【武田薬品】株価はなぜ安い?急落理由は?配当や将来性がやばいかを解説!海外買収で高成長企業へ!!

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どうも、ヒカリblogへようこそ。

武田薬品と聞けば、ボラギノールやアリナミンといった商品で有名ですね。

日本の製薬業界では堂々の第一、世界でも第9位です。

ソフトバンクを超える巨額買収で話題になったりと、M&Aにも積極的な企業です。

誰もが知っている企業の一つにもかかわらず、株価は6500円を高値にして現在は4000円程度を推移しています。

武田薬品の株価はなぜ安いのか。

その理由は、M&Aの巨額費用による財務悪化や新薬の治験中断などが挙げられます。

本記事では、武田薬品の業績や株価推移、株主還元、株価がなぜ安いのかなどについて解説します。

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武田薬品とは

有名な商品が多く誰もが知っている武田薬品。

しかし、どんな規模で事業運営をしているのか知らない人は多いかと思います。

一般人だとCMでしか目にすることがないためですね。

では、投資する上で重要な会社の規模や事業内容を見ていきましょう。

会社の規模

まずは会社の規模から。

売上は約3兆5000億円であり社員数は約5万人もいる巨大企業です。

創業は1781年、設立は1925年という歴史ある製薬会社で日本を支えてきました。

東証プライム市場に上場しており、ニューヨーク市場にも上場しているトップ製薬メーカーです。

上場プライム市場
資本金1兆6435億円
設立1925年
売上額約3兆5000億円
社員数49,578人

事業内容

続いては事業内容を見ていきましょう。

武田薬品は医薬品事業と非医薬品事業の2本柱でしたが、非医薬品事業は事業譲渡しています。

よって、現在の柱である医薬品事業について解説していきます。

医薬品事業

さて、武田薬品の医薬品事業は色々な分野に手を出しています。

研究開発における重点領域として、ガンや希少疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)および消化器系疾患の4つの疾患領域に注力しています。

その他、血漿分画製剤やワクチンの研究開発に関する投資も積極的に行い開発&供給に力を入れています。

~医薬品事業~
・医薬品の開発や製造を実施
・重点領域と呼ばれる4分野に注力
・血漿分画製剤やワクチンにも投資

武田薬品の業績について

続いては、武田薬品の業績について見ていきましょう。

アリナミンのような非医薬品事業を譲渡し、医薬品事業に資本集中した結果どうなったのか。

日本1位、世界第9位の製薬メーカーの実力や如何に。

決算書の読み方が分かれば銘柄選びで間違えにくいのですが、読み方がよく分からない方はこちらの書籍がオススメです。

売上&営業利益の推移

では、武田薬品の売上と営業利益の推移を以下の表にまとめました。

売上はコロナ禍においても3兆円を超えており製薬メーカーでは第一位、二位の3倍近い売上を誇っています(参考:Answers News)

コロナ禍で営業利益が3%まで落ち込みましたが、翌年からは営業利益16%近くまで改善しています。

一般的な企業で営業利益が10%を超えるのは高収益と言え、製薬業界でも十分な収益水準です。

2023年5月に決算が発表され、増収増益で着地し営業利益は12%と高水準で増配も発表されています

2024年に関しては、後発品の参入や新型コロナウイルスワクチンの需要減による一時的な向かい風を受ける見通しとなっています(引用:JIJI.COM)。

武田薬品の売上&営業利益
年度売上(百万円)営業利益(百万円)営業利益率
2020年3,291,188100,4083.1%
2021年3,197,812509,26915.9%
2022年3,569,006460,84412.9%
2023年4,027,478490,50512.1%
2024年(予)3,840,000349,0009.1%

武田薬品:株価の推移

では、武田薬品の株価を見ていきましょう。

世界第9位の製薬メーカーである武田薬品ですが、株価は2010年以降は微妙な展開。

コロナ禍以降は復活することが出来たのか。

株投資が中々上手くいかず含み損が気になる方は以下の記事を参考にしてみてください。

【低リスク】安全な資産運用は積み立て投資一択!

2018年以降は株価がさえない

武田薬品の過去10年分のチャートを掲載しました(引用:yahooファイナンス)。

ご覧の通り、2017年の株価6500円付近を最後に下落傾向にあります。

下落の大きな理由は、武田薬品が約7兆円を投じた買収を検討しており、それに伴う財務への不安が顕著となったためです(引用:トウシル)。

結果、巨額の資金を投じてアイルランド製薬大手のシャイアーを買収し世界トップ10の企業となりました。

2018年以降も株価が低迷した理由は、新薬メーカー故の研究資金の重さやアリナミンなど収益性のある非医薬品事業を売却したことが挙げられます。

武田薬品が医薬品事業への投資に注力しグローバル企業となることの是非が問われた期間と言えます。

~2018年から株価低迷~
・株価ピークは2017年の6500円付近
・巨額買収による財務悪化を懸念
・医薬品事業一本化への業態シフト期間
・買収後は世界トップ10の医薬品メーカー

コロナ後は上昇

続いては、2021~2023年のコロナ後の株価チャートを掲載しました(引用:yahooファイナンス)。

ご覧の通り、2022年からは株価が右肩上がりで上昇基調にあります。

シャイアー買収により負債額が600億ドルもありましたが、当初の予定よりも1年早く負債比率を健全水準まで引き上げました。

また、2023年には新たに買収を行うという情報もあり、ファイザーのような世界的製薬メーカーと肩を並べるのでは?という期待感もあります(参考:business journal)。

これにより武田薬品への不安も解消され、株価もやっと下落基調から脱出した形となります。

~コロナ後は株価上昇~
・2022年から株価は上昇基調
・シャイアー買収の負債額が健全水準へ
・会社計画より1年前倒しの健全化にを好感
・新規買収情報という好材料

株だけに頼らずポートフェリオを幅広く

株は勢いに乗れば一攫千金ですが、株価が落ちるのも非常に速いです。

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武田薬品の株主還元について

武田薬品の株主還元について。

株主還元は、配当や自社株買い、株式分割が挙げられます。

武田薬品の場合、配当と自社株買いを実施しています。

株式分割は株価が上昇し東証の定める投資単位(5~50万円未満)の水準を大きく越えなければ期待できないでしょう(参考:東京証券取引所)。

配当銘柄狙いで投資をしたい方は、こちらの書籍で投資術について詳しく書かれていますので参考にどうぞ。

配当の推移

武田薬品の配当の推移を以下の表にまとめました(引用:IRBANK)。

シャイヤー買収により財務悪化が懸念されつつも、配当はずっと1株あたり180円を維持しています。

コロナ禍では前年比で純利益が3分の1以下まで下がりましたが、減配せず。

2023年決算において増配発表がされ、2024年は1株あたり188円となっています。

また、配当利回りは5%近くあるため十分な配当銘柄とも言えますね。

年度中間配当期末配当合計
20209090180
20219090180
20229090180
20239090180
2024(予)9494188

自社株買いの推移

続いては、自社株買いの推移を以下の表にまとめました(引用:IRBANK)。

コロナ禍において株価が低迷すると、約527億円規模の自社株買いが実施されました。

2022年においては営業利益がコロナ前に改善し、約800億円の大規模な自社株買いが実施されています。

配当だけでなく自社株買いも積極的に行っている点から、武田薬品は株主をしっかり見ていることが分かります。

業績は2023年以降も高水準の見込みのため、配当銘柄として保有するのも良いかもしれません。

年度自社株買い実施額
201911億7200万円
2020527億5000万円
202121億4100万円
2022794億4700万円

武田薬品:株価はなぜ安い?

コロナ後は株価好調な武田薬品。

しかし、武田薬品の株価は低迷しているのが現状です。

世界的製薬メーカーである、武田薬品の株価はなぜ安いのか。

これは、巨額M&Aによる財務不安や新薬中断が影響しています。

2018年:シャイアー買収に7兆円投入で財務不安

武田薬品の株価はなぜ安くなってしまったのか。

1つ目の理由は、アイルランドの製薬大手シャイアーを約7兆円を投じて買収するとの発表をしたためです。

これにより武田薬品の有利子負債は6兆円まで膨れ上がり、財務状況が急激に悪化しました。

その結果、2018年に株価は6500円から3700円まで下落し、一気に武田薬品の株価が安くなりました

投資家の懸念として、買収により収益は改善されますが、製薬メーカーは特許が切れると売上が激減します。

今は良くとも、新薬の開発力は大丈夫なのか、成長性はあるのかといった株主の不安やリスクが株価急落に繋がりました。

~財務不安により安値へ~
・シャイアー買収により有利子負債6兆円
・武田薬品は急激な財務不安に陥る
・特許切れ後の経営基盤に不安感
・株価は6500→3700円の安値圏へ

2021年:新薬の治験中断

武田薬品の株価が安くなった2つ目の理由として、新薬中断が挙げられます。

武田薬品は2021年に睡眠障害に対する新薬候補の臨床試験を中断すると発表しました。

この新薬は期待値が高く売上ベースで30~40億ドルとも言われていました。

そのため、この新薬の臨床試験中断は大きなマイナス材料であり、武田薬品の成長性を大きく見直す動きが加速し株価に反映されました(参考:Quick Money World)。

具体的に、株価3800円から3200円まで下落し武田薬品の株価は一気に安く(配当利回り6%)となりました。

~新薬の治験中断~
・株価3800円→3200円の安値圏へ
・原因は新薬候補の臨床試験中断
・30~40億ドルの売上期待が水の泡へ
・武田薬品の開発力、成長性に不安感

武田薬品:なぜ、やばいと言われる?

武田薬品は一時期、会社自体がやばいとの噂が飛び交いました。

なぜ大手製薬メーカーである武田薬品がやばいなどと言われたのでしょうか。

それは、身売りとも捉えられかねない行動を起こしたためです。

子会社の売却

まずは、子会社を売却していったことです。

武田薬品はビタミン剤「アリナミン」などの一般用医薬品事業を米国投資ファンドに売却しました(引用:日本経済新聞)。

武田薬品=アリナミンと考えていた人も多く、この売却は大きな話題となりました。

売却理由は、シャイアー買収で膨らんだ有利子負債を圧縮するためでした。

経営陣としては、投資資金を新薬開発に集中させたいという思惑があったのですが、一般庶民には身売りにしか見えませんでした。

そのため、武田薬品はやばいのではないか?という噂が広まりました。

~子会社の売却~
・一般医薬品事業を米国投資ファンドに売却
・売却理由は有利子負債の圧縮
・実際、資金は新薬開発へ投資し開発加速

本社売却

続いて、武田薬品は2019年に本社を売却することを発表しました。

これを聞いた人々は「本社を売るほどやばいの!?」と武田薬品へのイメージが悪化しました。

しかし経営陣の考えとしては、世界トップ10のグローバル製薬メーカーが大阪にこだわる理由はないとのことですね。

もちろん、財務悪化を緩和するための売却ですが、売却後も開発部署や従業員は移動しないので機能面では従来通りなので特に変化なし(参考:産経ニュース)。

非中核事業や不動産を売却して資金を調達し、中核事業に投資するという流れは間違っていないと個人的には思います。

~本社売却~
・創業の地である本社売却の話題性大
・売却後も開発部署や従業員は従来通り
・不動産売却したが実務に影響なし
・中核事業への投資を加速

武田薬品の将来性は?

武田薬品の将来性についてです。

大型買収によるグローバル製薬メーカーへの成長の反面、財務悪化で株価は低迷していましたが今後はどうなるのか。

将来に向けてのプラス材料を見ていきましょう。

勝ちやすい割安銘柄を探す方法や投資術を磨きたい方は、こちらの書籍が分かりやすいです。

新薬浸透により収益性向上

武田薬品の柱は潰瘍性大腸炎薬であるエンティビオであり、これが浸透し利益大幅増に繋がりました。

また、エンティビオの後発品の参入は今のところない予想ので、特許切れ後もしばらくは業績に貢献するでしょう。

これ以外にも、中長期的には武田薬品の保有する14のグローバルブランドが業績をけん引することが予想されます。

モルガン・ヘルスケア・カンファレンスにて武田薬品は以下のように述べています。

グローバルブランドとEXKIVITY、LIVTENCITYといった新規製品の発売が、2025年度までに予想されている全社総額約5000億円の収益成長に貢献すると確信しています。

引用:bisinesswire

~収益性向上~
・柱の潰瘍性大腸炎薬が大幅増
・エンティビオのバイオ後発品は未定
・14のグローバルブランドがけん引予定
・その他高収益が見込める新薬予定多数

新たな大型買収による成長推進

武田薬品は、2019年のシャイアー買収以来の大型買収を進めました。

具体的には、米国の創薬企業ニンバス・ラクシュミを約5500億円で買収しました。

この会社の強みは、新薬候補の自己免疫疾患に関わる酵素の働きを阻害する物質の知的財産権を持っている点です(引用:M&A Online)。

新薬候補物質を持つ会社を買収、つまり武田薬品は将来的な新薬開発のために当該企業を買収しました。

シャイアー買収の財務悪化を改善するために非中核事業を売却していましたが、ここに一転事業拡大を視野に入れ始めたのです。

買収により財務状況はわずかに悪化しましたが、将来への成長推進向けの投資としては有用と思われます。

~新たな大型買収実行~
・シャイアー買収以来の大型買収を実施
・新薬候補物質の知的財産権を獲得
・財務改善よりも新薬開発で成長性を重視
・事業売却から事業拡大へシフト

武田薬品の株価はなぜ上がらない?

今回、武田薬品の業績や株価、株主還元策、株価急落原因、将来性などについて解説しました。

シャイアー買収により財務状況は悪化したものの、世界トップ10のグローバル製薬メーカーへと成長することに成功しています。

さらに、悪化した有利子負債は会社計画前倒しで健全水準まで改善しているのも好材料です。

コロナ禍からの回復も早く営業利益は15%近くまで向上し、配当はコロナ禍でもずっと維持していました。

にもかかわらず、なぜ株価は上がらないのか

それは、新薬候補の治験中断や巨額買収の是非が問われている最中だからと言えるでしょう。

今後は、ニンバス・ラクシュミ買収により新薬開発が加速するものと思われ、株価はさらなる上昇基調に転じると思われます。

とはいえ、新薬開発は予定通り進むほど簡単ではないので投資をする際には自己責任で行いましょう。

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